Panasonic NV-BS900の修理

バブル期パナソニックの高級S-VHSビデオデッキです。
1990年製 定価\150,000という、まさに往年の名機!
しかも今回はタダで入手しました。


※画像を多用していますので、表示に時間がかかると思いますがご了承ください


それは何でもないごく普通の平日のことであった。何気なく自分のHPの新BBSを見ると、掲示板を移動して初めての書き込みがあった(以下はBBSから抜粋させていただきました)。

はじめまして
FS900の記事、拝見させていただきました。
苦労された様子がよくわかって、とても楽しめました。
私もFS900を自己修理して使ってますが良いVCRですね。
大事に使っていきたいと思います。
ところで旧掲示板を拝見したのですが、NV-BS900いりませんか?
2台目が手に入ったのですが狭いアパート暮らしなため家人から
処分しろと迫られているのです。もちろん故障してます。
再生したら砂嵐です。メカは大丈夫そうです。
(MKKさん得意の?HICの修理で直るかもしれません)
外観は美しい方だと思います。
こんなもので良ければ引き取って修理してみませんか?

なになに? NV-BS900くれる? くれる!? エ!ほんとに? 確認のためメールを送ると、どうやら本当に頂けるようです。なんだか夢の中にいるような気分でした。
だって、NV-BS900が一番「欲しい!」と思っていた、まさにその時にこのような連絡があったのですから。 と いいますのも、新快速メカの威力を知りたかったのと、よく見るとデザインがメチャクチャカッコいいのに気づいたからです(遅い!)。
そのため、YAHOOオークションでずっとBS900を探していたのですが、どうも手ごろな値段で落札ができないのです。ジャンク品として出品されているのにもかかわらず\4000以上で落札されるものもあります(リモコンつき)。さらに、送料を負担していただけるようなのです。
うら様、本当にありがとうございます。絶対に修理してみせます!!


そして届く・・・

すぐに送っていただき、翌日にはとどきました。



症状を診る
症状は「再生・録画ともに砂嵐」というものでした。「砂嵐」と一言に言ってもゴビ砂漠の砂嵐からサハラ砂漠の砂嵐までありますから(爆)、とりあえず診てみます。

の、前にこれがBS900だぁーー カッコエエ〜〜
TH-32WD10に映してみました。確かに砂嵐です。 が、写真のように赤と緑の横線が映ります。実際には青の横線もでますのでRGBですね。ほんの一瞬だけノイズにまみれて映像が出るときがあります。
音声は常時出ます。

HICを調べる
どちらかと言うとヘッドがヤバそうですが、とりあえずHICを先に修理することにします。
映像基板はFS900と微妙に違います。

まず第1のHICです。コンデンサの足を見ると、なんと全く噴いていません!! このHICは過去に交換されていないのにもかかわらず、電解溶液のニオイさえ全く無いのです。
でも将来のことを考えて、取り替えておきました。このまま放って置いても、どうせすぐ噴くでしょうから。
シールドケースには入りませんでした。ちょっと残念な気もしますが、まぁいいでしょう。
第二のHIC
の前に

こんなところにデイレイラインが・・・!(真ん中に見える黒い長方形のやつ)
これまたヘンテコな場所についていますねぇー
さて、これが第2のHICなんですが、これも噴いていませんでした。
しかし同様にコンデンサを交換して、シールドーケースに入らなくなったけど、そのまま付けました。
そしてテープを再生してみる・・・
しかし! 症状は全く変らない!
ま、コンデンサも噴いていませんでしたし・・・

ということはヘッドだ!
ってことで、クリーニングテープでヘッドクリーニングをしようとしたところ、テープが回りません!!
普通のテープは回るのにこのテープは回らないのです。巻き戻しも不可。
騙し騙しで、なんとか10秒ほど再生させ、録画してあるテープを再生してみると・・・
映ったぁーーー
やっぱり原因はヘッドの汚れだったようです。しかし、メカの動作が思わしくなく、巻き戻し・再生・早送り共に不安定です。


完・全・分・解!

え〜、この機体ですが お世辞にも綺麗とは言えないようで・・・(いえいえ、浦さんは全く悪くないですよ!)別に誰も悪くありません。かえってこっちのほうが修理甲斐がありますから。
しっかし、こんだけススだらけなのに、タバコのヤニのニオイとか、煙のニオイが全くないのも不思議です。

カセコンやメカユニットは大量の埃・ススでした。ローディング・アームもこのとうり、まっくろけっけ!
洗剤を染み込ませたティッシュで掃除して、綺麗になりました。
クリーナー・アームも真っ黒くろすけです(笑) これは取り外してしまいました。
ピンチローラーもこのとうり トゥルントゥルンでございます。テープの動作が不安定だったのはこれが原因だと思われます。
紙ヤスリで削れば、ほ〜らこのとうり! 新品同様のお姿に早代わりぃー

へ、ヘッドがぁぁぁぁーーー

なんか汚いんです。アルコールを染み込ませた綿棒でヘッドを軽くこすると・・・
ぬおぉぉ〜〜〜
結局、ヘッドが綺麗になるまでこんだけの綿棒を使いました。ヘッドを掃除するときは焦りは禁物です! 焦って強くこすると、たかが綿棒でもドラムに傷を付けてしまいます。
で、実はそれをやってしまいました! できるだけ早く掃除して動作させたかったので、急いでやったら、ドラムにちょこっと傷がついてしまいました。
掃除後のヘッド。鏡のような輝きに仕上がっています。
もちろん、ロワードラムも掃除しておきました。

スイッチング電源

やっぱり放熱板にシリコングリスは塗ってありませんでした。NV-FS900と比べると大きいですが、これはスイッチング電源上部にシスコン基板があるため、熱が逃げないので放熱板を大きくして外に熱を出そうと考えたようです。
ちなみにFS900のスイッチング電源上部には何も無いため、放熱板は小さめとなっているっぽいです。


BS回路拝見

本体裏側にBS系の回路があります。中央のシールドケースがBSのいろいろな処理をするユニットで、左にある小さなシールドケースが、BSチューナーです。
BS処理基板の中身。特筆するところはありませんが、オペアンプICを4つも使っています。
この基板の裏側は1ビットDACのMASHがへばり付いています。その横にはTechnicsのLSIがありましたが、これはデジタル音声の何かかと。


オーディオ回路

2枚の銅版のGNDを境に、LEFTとRIGHTに分かれています。このブロックもFS900と微妙に違います。
(この写真は修理に取り掛かる前に撮影したものです)
このレベルメーターもいいです。松下は「上に行くほど小さくなる」遠近法のスペアナを「エアポートスペアナ」として、ミニコンポ全盛期(94年〜96年)にCDミニコンポに搭載して売り出していました。確かに普通のスペアナより広がり間があってよいです。
このレベルメーターはその原型っぽさがあります。


さて、ひととおり回路の拝見が済んだところで、動作してみるか・・・
げ、電源が入らない!! 
何だ? 少なくともオーディオ回路をいじる前までは電源は入ったのだから、問題はその後だな?
オーディオ回路を見ると、Oh MY GOD! 同じ形のコネクタが2つもあるじゃないか!ということは逆に差したな?

差し替えると電源は入りました。しかし、音声が全く出ません!VTR・チューナー共にです。レベルメーターも全く反応しません。 うわぁー やっちゃったー
って、これは俺が悪いのか!? いや、俺は悪くない! 悪いのは同じコネクタを採用した(しかも近くで)松下が悪いんだ! 何もこんなに近くに同じコネクタ付けなくてもいいのに・・・


そんなこんなで、映像は復活しましたが、今度は音声がヤラれてしまいました。

そして第二のステージへと続く・・・・


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